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教育に関するコラム

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日本の初等教育は復権するか?

 

今年2012年はロンドンオリンピックの年ですね。しかしもうひとつ、ある意味では国際大会ともいえるイベントがあります。それがPISAです。
ピサの斜塔? なんて思わないでください。
PISAは3年に1度OECDが行っている国際学力到達度テストの略称です。


このテストは15歳~16歳を対象にした世界各国の子供の学力到達度を数学的リテラシー、読解力リテラシー、科学的リテラシーの三部門で評価するものです。2000年から実施され今年で5回目になります。
数学的リテラシーに限定すればPISAの第1回である2000年度は日本は世界で1位でした。しかしその後徐々にランクが落ちていき2006年には10 位、2009年にはかろうじてランクを9位に上げましたが、かつてトップだった2000年には程遠いポジションにあります。ちなみに2009年度は中国の 上海がすべての部門でトップの成績を修めています。
文部科学省が2010年にゆとり教育を実質的に終焉させたのも実はこのPISAにおいて日本の国際的学力レベルの低下が明白になったことが大きな要因とも言われています。いうまでもなく2000年~2010年のあいだ日本はゆとり教育の真っ只中でした。
そしてこの期間、韓国、中国をはじめとするアジアの国々が急激な経済成長を成し遂げ、同時にまた日本経済が世界においてプレゼンスを著しく低下させました。
教育と経済の連動というのは単なる偶然ではないと思います。
明治以降日本だけがアジアで唯一近代国家を作り上げることができたのも読み書き計算を庶民レベルにまで浸透させた日本の初等教育の優秀性にあったと多くの専門家は指摘しています。
逆に言えば資源のない日本にとって教育こそが国家を支える根幹であり教育が崩壊すればそのまま国家が崩壊するといっても過言ではないのです。 震災以降、日本はすべての意味で瀬戸際に立たされています。
国の借金は1000兆円に達しています。
2012年のPISAで日本の国際的学力はかつての栄光を取り戻すことができるでしょうか?
日本の初等教育の復権、それは今後の日本の未来を占う大きなテーマのひとつではないかと思います。

 

中田義塾 塾長 中田 浩雄


五反田駅 徒歩3分の学習塾/個別指導の中田義塾

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