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法律のコラム クーリングオフについて【クール宅急便とは関係ありません】

  • カテゴリー:五反田情報
  • (コラム)


クーリングオフについて【クール宅急便とは関係ありません】
 



 


皆様、こんにちは!五反田の桜田通りから一直線に進んだ虎ノ門にて法律事務所を開設している弁護士の磯田直道(いそだなおみち)と申します。ゴタコラムにて身近な法律のお話をさせて頂ければと思います。今回は、悪徳商法に騙されてしまったヤジロベーが、ゴタさん弁護士のもとに相談に来ました。宜しくお願いいたします。
 



 


【ヤジロベー】兄貴、聞いてくださいよ。
 

【ゴタ】なんでえ、しけた面しやがって、いったいぜんたい、どうしたってんだい。
 

【ヤジロベー】そこの角のところから、やけに色っぽいお姉ちゃんが話しかけてきたものだから、思わずふらふらっと、事務所に入ってみたところ、机の上を転がすだけで、いつでも、やる気マンマンになるガラス玉を、10個350万円のところ、100万円ポッキリで、売ってあげるってことになったんですよ。
 

【ゴタ】で、どうしたんだい。【ヤジロベー】そりゃ、お姉ちゃんはきれいだったけど、そんなもの欲しくありませんから、断りましたよ。
 

【ゴタ】じゃ、問題ねえじゃねえか。【ヤジロベー】そしたら、お約束のように、元横綱の曙みたいなおっさんがゾロゾロ出てきて、「これはいいよー、効くよー」って、しつこく勧めるんですよ。それで、断り切れなくなって、サインしちゃったんですよ・・・。
 

【ゴタ】そりゃあ、クーリングオフだな。【ヤジロベー】クール宅急便?で、送るんですか?
 

【ゴタ】バカ言ってんじゃねえよ。そんな意味不明なガラス玉、冷やして送ってどうすんだい。クーリングオフってのは、無条件で契約を解約することができる特定商取引法(特商法)で認められた消費者の権利のことなんだよ。
 

まず、業者の販売方法が、特商法上、分類された訪問販売等にあたることが必要になる。「訪問販売」は業者の営業所以外の場所で契約することを指すんだが、街角で声をかけて営業所に連れてくる「キャッチセールス」や高額当選したなどと電話をして営業所に呼び出す「アポイントメントセールス」も、「訪問販売」にあたるんだ。ヤジロベーの場合、典型的なキャッチだな。
 

次に、契約の申込みの時、もしくは、契約後に商品の種類・価格等が書かれた書面(特商法4条・5条書面)を受け取ってから8日間以内に、契約を撤回又は解除する旨の文書を業者に発送しなければならない。
 

【ヤジロベー】うわっ、10日前だったから、期間、過ぎちゃってる~・・・
 

【ゴタ】それが契約の時に作られた書面(特商法4条・5条書面)だな。よく、見せてみろ。クーリングオフのことが何にも書かれてないじゃないか。赤枠の中に赤字で8ポイント以上の字でクーリングオフのことが書かれてなきゃいけないんだ。業者は法律で決められた書面を渡したことにならないからクーリングオフ期間も進行しない。(※注意※1年以上、商品を使っていた場合など、例外もあります。)今からでも大丈夫だよ。電子内容証明で出しといてやるよ。代金はまだ払ってないんだろ、よかったな。あとは、この意味不明なガラス玉を業者負担で引き取らせるだけだ。
 

【ヤジロベー】さすが、兄貴!!
 

 

【法律まめ知識】クーリングオフについて
 

・クーリングオフとは、契約の申し込みまたは契約後に法律で決められた書面(商品の種類・価格等が書かれた書面。訪問販売の場合、特商法4条・5条書面)を受け取ってから一定の期間(訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供においては8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日間。)、無条件で解約することができる特定商取引法に定められた消費者の権利のことです。
 

・業者が法律で決められた書面を渡していない場合、クーリングオフ期間は進行しません。
 

・書面に不備がある場合もクーリングオフ期間は進行しないと考えられますが、1年以上、その商品を使っていたような場合は、クーリングオフが認められない場合もあります。
 

・クーリングオフを行うためには、業者の販売方法が、訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引のいずれかにあたることが必要です。
 

・通信販売の場合、クーリングオフは行えません。インターネットやダイレクトメールを見て業者に電話を掛けた場合、電話勧誘販売にはあたらず、クーリングオフはできません。このような悪徳商法被害が増えています。ご注意ください。
 

・いわゆる健康食品や化粧品等を使ってしまった場合や、金額3000円未満を現金で支払った場合は、クーリングオフの規定が適用されないので、注意が必要です。
 

・クーリングオフは書面で申込みの撤回又は契約解除の意思表示を行うことによって行使することができます。普通郵便ではなく書留、内容証明、配達証明等を使用します。
 

・クーリングオフを行った場合、以下のとおりとなります。
 

①支払ったお金は、全額、返してもらえます。
 

②受け取っていた商品は、販売業者の負担で引き取らせることができます。
 

③損害賠償や違約金を支払う必要もありません。

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